『パンドラ淫妖記』にしむらはるか
裏表紙で少女が触手に凌辱されていたので表紙買い。あらすじ（ネタバレ）
冴えないどころか勇気も男気も無いダメ青年「時男」は、今日も今日とて家庭教師をクビになって家路を急ぐ途中、怪物のレイプ現場を偶然にも見てしまう。殺されそうになって泣いてばかりいるとそこに魔法少女が落ちてくる。何もしないうちに犯される少女だが、どうやら怪物の精を受けてパワーを取り戻したらしく、怪物を惨殺。彼女には記憶が無いのだが、なぜか時男を「ご主人様」と呼んで慕い、また時男もなぜか少女の名が「キュア」だと思い出すのだった。その後色々あって（本当に色々ある）もう１人の魔界の少女「アクメ」に攫われる時男とキュア。例によってキュアが犯され時男がわーわー喚いているうちに、時男が最強の魔物「エルビス」として覚醒する。どういう基準で名前を付けているのか謎だが、一方キュアの体内からはアクメの父である魔王「ドラクル」が正体を現した。ドラクルは既に十数年前にキュアの体を借りて、時男の中にエルビスの魂を埋め込んでいたのだ。なぜだか知らないけど。
この後さらに色々あって（たった１話で本当に色々ある）人間界は破滅の危機となるが、時男の子を身ごもっていたキュアが愛を訴えたので何とかなったし、時男の心も救われた！ こいつ自身は何もしないまま死んだけど。
レビュー
表紙買いは止めようと思った。表紙や裏表紙では拙いなりに万人受けしそうな絵柄に見えるが、中身は結構クセがあって陰鬱な絵柄だ。特に口元や赤面の漫符、目のトーンワークあたりに特徴があるのだが、よりによって表紙でも裏表紙でもその辺が功名に隠れているのは意図的なものなのだろうか。単に好みの問題と言えばそれまでだが、少なくとも表紙に偽りありとは言える。
ストーリーは謎また謎のうえ最後に大どんでん返しを持って来る穿った展開で、正直言えばちょっと面白かった。１巻に収めるには確実に無理があるストーリーを強引に詰め込んだために異常に読みにくい事や、主人公がまったくいい所なしのダメ野郎な事、よく考えたら物語が破綻している事（上記あらすじの「なぜだか知らないけど」部分）等が台無しにしてはいるのだが。
全編通じてやりまくるだけやりまくっているので、絵柄が好みなら。と言いたいが、表紙が判断基準にならないしなあ。
(2004/03/31)
