オーロラ・プロジェクト
概要
インディーズAVレーベル(販売はボス・キャット)。「主宰」こと葵刀樹(あおい・とうき)監督の個人ブランドという性格が強く、「無言の長回しハメ撮り」というスタイルがほぼ全作品に渡って貫かれている。
※ただし近年、葵監督とは別に「黒龍」というハードな攻めを主体とする監督を招聘しており、このスタイルは葵監督作品に限られているのが現状。ちなみに黒龍監督作品はパッケージに「BLACK DRAGON」マークが書いてあるのですぐ回避できる。
作品スタイル
ストーリー性ゼロ、インタビューどころか会話すら滅多に無い。延々何十分も前戯にかけ、本番が始まってからもひたすら同じカットで何分も撮り続けては構図を変えてまた何分、という気の遠くなる長回し。ハメ撮りで男優の顔は映さず、フレームインしたならモザイクをかけ、女優に話しかける時(必要がある場合だけ)は極力小声で視聴者に聞こえないレベルにとどめる。このように徹底して情報量を削り、女優の喘ぐ姿だけを収めるというのがオーロラスタイルだ。この情報量の少なさは女優のキャラクター性・人間性を求めるユーザーにはマイナスだろうが、エロ妄想に全てを捧げ、女優は妄想の材料に過ぎないと割り切るこのサイトではまさに神がかったスタイルと言える。
ただ長回しにこだわった撮影スタイルは善し悪しで、気に入らないカットでも延々何分も見る羽目になるという諸刃の剣でもある。しかもオーロラ作品はチャプターに対する考えが恐ろしく適当なので、チャプター送りをするとかなり先のカットの途中に飛ぶ事もしばしば。動画編集のスキルを持っていないユーザーには歯がゆい所かもしれない。
女優のタイプは主に、どこにでもいそうな枠内でちょっと可愛いタイプ、かつ現代的なスレ方を感じさせない清純派(悪く言えば野暮ったい)というキャラクターが多い。スタイリストもその辺りの機微を分かっているようで、今どき少ないような黒髪ロングや三つ編み、化粧っ気を感じさせないナチュラルメイクを多用している(※もっとも近年はこの路線から微妙に外れつつある)。
あからさまに少女っぽさを強調した背徳的な女優も多く、ここに前述の古くさい清純派テイストが交わってうかつに他人に見せられないイメージのある作品も多い。
一方でなぜか巨乳比率も高く、巨乳、少なくとも豊乳で押される少女キャラ女優も少なくない。この辺はやや矛盾した姿勢とも言えるが、個人的にはOKだ。
ちなみに良く言われる通り絶望的にライティングが下手で、シャワー室のような密室や明るい自然光の射す窓際などのロケーションでは作品としての魅力が大きく減る事を覚悟しなければいけない。
歴史
オーロラ・プロジェクトは撮り方のスタイルそのものは最初期から変更はないが、俯瞰して見るとある程度の方向性の変化は見られる。- 初期:VHS時代
手ブレの多さ、カメラ画質の荒さ、ロケーションの貧乏臭さ(安いBGMの流れるホテル等)、そして女優の垢抜けなさ、と全てにおいて胡散臭かった時期(ブルセラビデオの一種として売り出したこのメーカーでは、当然の帰結ではあった)。
一方で極めて現実感は高いとも言え、この時期の家庭用VTRで撮ったブルセラハメ撮りそのもののようなリアリティを好むファンも多い。個人的にはどうかと思うが。
後期にはストーリーのあるSMシリーズ「メビウス」や人妻物のリリースなど、ブルセラブームの終結に従って新たな方向性を模索していた時代でもあった。
- 中期:DVD移行時代
初期の胡散臭さから脱し、より女優を綺麗に見せる方向にシフトしたのがこの時期で、女優の質も大幅アップした。
他メーカーの人気女優の起用や新監督「黒龍」の登場と、メジャーAV化に意欲を見せている。価格設定が低めになってきたのもこの時期。
企画物はソープ物とレズ物で安定、メビウスシリーズは終結したようだ。
- 後期:DVD時代・現在?
女優の少女路線は減少傾向。従来の「清純美少女」というファンタジー性は薄れ、やや今風な女優を扱う事が多くなった。制服へのこだわりも減っており、もはやブルセラレーベルの影は見えない。
価格はほぼ一律2990円で安定。新作の乱発によるクオリティの低下がやや懸念されるところだ。
その他
姉妹レーベルに「オアシスアート」があり(公式サイト)、こちらは葵刀樹監督の個人レーベルという位置付けになっている。現在も時々新作を発表しているのだが大人の事情で色々あったのか、公式サイトは更新停止状態、オーロラプロジェクトのサイトでは完全無視状態と、無かった事にされている悲劇のレーベル。
公式情報が得られず不便極まりないのでいい加減何とかしてほしい所だ。
(2005/01/03)