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『D'ERLANGER(デランジェ)〜誘惑の淫魔病棟〜』DISTORTION

DMMにリンク 『D'ERLANGER(デランジェ)〜誘惑の淫魔病棟〜』
(DISTORTION)2005年01月発売

DMM
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オフィシャルサイト(体験版・デモムービー有)

あらすじ

 唐突に交通事故に遭った主人公「伊賀」はとある大病院に入院する事になる。退屈な入院生活の中、ナース「桑島まなみ」の献身的な介護の甲斐もあって順調に回復しつつある伊賀だったが、ある夜彼は異常な夢を見る。
 見た目こそいつもの病院の中だが、人間の気配が一切しない世界。そこで彼は異形の怪物に襲われる。謎の少女「檜山由」の超能力で救われた彼は、この世界が毎夜繰り返される「終わらない夢」であること、かつては多くいた仲間達も全員死んでしまい残りは彼ら2人しかいないこと、夢から覚めてしまうと何も憶えていないので夢の中でしか対策が立てられないことを彼女の口から聞く。
 夜明けと共に悪夢の世界から目覚めた伊賀だが、由に説明されたルールと違い、自分が夢の中の記憶を持っている事に違和感を抱く。どうやらこれが彼に与えられた特殊能力だったらしい。この能力を利用して、現実世界と夢世界の関係を探る伊賀だったが、あまりに現実離れした事態に捜査は進展しない。
 患者食いの女医「魚住朝子」、夢世界と正反対に臆病な現実世界の由、そして現実世界の由とレズ関係にある謎めいた精神科医「黛紗英」らの伏線としか考えられない謎めいた言動に振り回されるうち、この病院で起きている驚愕の事実にひどく唐突に突き当たるのだった……。

レビュー(ネタバレ)

 このサイトらしくエロ面から先に突っ込んでおくと、やや期待外れの感が強い。
 ナースの「桑島まなみ」が突然夢世界に引きずり込まれ訳の分からない内に触手に犯される(この間、なぜか主人公達は黙って見ている)のは良しとして、女性キャラの大半が触手に犯られないのはホラーエロゲーとしてあまりに筋違いであろう。
 クール女医「魚住朝子」は主人公を誘惑して犯るだけ、謎の精神科医「黛紗英」は現実世界の「檜山由」との中途半端なレズシーン(主人公は覗くだけ)と、またも主人公を誘惑して犯るだけ。
 檜山由はちゃんと触手に犯られてくれるが、夢世界のサバイバリストで誰にでも容赦の無い方の檜山由だけが触手担当で、弱々しげで何も知らない現実世界の檜山由は何もされないというのは機会の損失だ。
 加えて誰とも知れないナース(顔も適当)が夢世界召喚の儀式のために男達に輪姦されるとか、触手に犯られた桑島まなみを慰めるため主人公とセックスするとかどうでもいいシーンに容量を割いているのもいただけない。
 モデリング自体は少々クセはあるものの中々の美少女ぶりで、触手もかなりいい動きをするので実用度はそこそこあるのだが、触手物で大事な汁気が触手にも女体にもまったく無かったり、顔がしばしば隠されるなどカメラワークに甘さが目立ったり、そもそも生きるか死ぬかのサバイバルホラー空間で触手がレイプする必然性が薄かったり(現にそのうち幾つかはバッドエンドで、実際にこの後殺されているらしい)と全体にいやらしさが非常に薄い。
 なんでこんな事になったのかと言えば、間違いなく製作者がB級ホラー作品を作りたかったからだろう。
 このゲームは良い意味で非常にB級ホラーテイスト溢れるストーリーで、謎のうちにサバイバルホラー空間に巻き込まれ、そこで生き残りに血道を上げながらホラー空間の法則性を少しずつ明らかにしていく、というお約束をキチンと消化していてあやうく好感が持ててしまいそうになる。とりわけ『サイレントヒル』の影響が強いのはどうかと思うが
 後半になって明らかになるこの世界の正体が分かってしまえば全然ありきたりで面白くないのも正しいB級ホラー感覚で、狙ってやったのかどうかはともかくこの手の作品が好きなら思わずニヤリとするところだろう。正直そんな所ばかり力を入れられても困るのだが。

 数時間あれば余裕で終わるボリュームの少なさ、たまに登場する3択(ノーヒント)でミスれば即ゲームオーバーという安直なゲーム性、明らかにヒロイン級キャラのはずの檜山由が単なる超能力バトル要員(及び触手要員)でしかない、オフィシャルページに書いてある設定のいくつかが明らかにゲーム中オミットされている、サンプル画像の良シーンがゲーム中に使われてない事がたびたびあるってのはどういうつもりだコン畜生、等々消化不良で終わっている所は多い。
 しかしポリゴンエロゲーなんて大体こんなもんだしところどころ光るものもあるので、次回作に期待をつなぎたい所だ。

エロ見所(ネタバレ)

 結局ナースの「桑島まなみ」と夢世界の相棒「檜山由」のみが触手要員なので、必然的にこの2人が見所になる。
 この2人をシックスナイン状態にして触手で犯すという本来なら夢の世界もあるのだが、残念ながらカメラワークが中途半端で2人ともが魅力的に映らない状態で実用度は低い。期待するなら単品シーンが妥当だろう。
 単品シーンでは2人ともそれぞれナース服・患者衣を着たままなのは(モデリング的努力を含めて)ポイントが高い
 特に檜山由が着ている患者衣は(胸がはだけないのは残念ながら)無防備感がそのルックスと相まって、普段結構イヤな性格をしている檜山由のキャラクターをうまく相殺していて良い衣装チョイスと言えるだろう。
(2005/02/28)

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