『AV伝説 林由美香セーラーデビュー 八月の首輪 + 学園FuckFuckFuck100人』林由美香
本作は基本的には昔のAVの再編集版であり、とりたててどうこう言う内容ではない。しかし、そんな常識論では語り切れない強烈ななにかを持った1本でもあった。
構成(ネタバレ)
DVDを再生すると、プレゼンターとして全盛期から6年後の林由美香が登場する。おばさんパーマとすっかりふくよかな顔、銀座のママみたいな格好と、強制的に黄金時代の終わりを感じさせる姿は、往時のファンにとっても初見の人間にとっても見ない方が良かった映像だ。公園でカメラに追い回されながら「もう学園モノは無理よ〜♪」と逃げ回る林由美香(AFTER)。あまりにもその通りで笑えない。
その後小料理屋でインタビューを受ける林由美香(AFTER)。このインタビュー映像と全盛期のイメージ映像が交互に映されるのだが、何かの嫌がらせだろうか。
そして何事も無かったかのように再録版の作品が始まる。
『学園(本)シリーズ すごいのかけて! 八月の首輪』(江地亜紀監督)
富豪の令嬢白鳥麗子(林由美香)は家庭教師と恋愛関係にあった(ここでとりあえず1回ファック)。二人は伊豆に小旅行に出かけるが、しかしその陰には麗子を狙う悪党の陰謀があったのだ。
別荘を格安で貸し出すというエサにまんまと釣られた二人だったが、麗子が一人きりになった途端に事態は急転。押し入ってきた悪党の子分Aに麗子が誘拐されてしまう。
悪党はかつて仲間だった白鳥家に裏切られ、刑務所暮らしを余儀なくされていた。彼の狙いは復讐のための営利誘拐、そして麗子の体だった。抵抗するすべも無く犯される麗子。
一方その頃、家庭教師も子分Aにおびき出され始末されていた。無事に後顧の憂いも断った子分Aはおすそわけで麗子の体をいただくのだった。
しかし、家庭教師は死んでいなかった! 『コマンドー』の時のシュワルツェネッガーばりのタフネスで子分Aをナイフで刺し殺し、悪党に背後から襲いかかり首を絞めて絶命させる家庭教師。過剰防衛ですら済まないように見えるが特に警察からのおとがめも無く、あらためてバカンスを楽しむ家庭教師と麗子だった。この話には何の教訓も無いな。
そしてスタッフロールの後、再び画面は小料理屋のインタビューに戻る。戻らなくていいのに。
アグラをかいてタバコをプカーッとふかす林由美香の姿にはかつての清純派の面影はなく、もはや姐御の貫録十分。時の流れの残酷さを心底から感じる。
インタビューは今後の林由美香の幸せを願って締めとなるが、なんだその締め方は。
『あのスターは何処へ 学園FuckFuckFuck 100人』
またもや現われる林由美香(AFTER)。もはや悪意すら感じるが、この『学園FuckFuckFuck 100人』の司会進行役が彼女(AFTER)である。
「あのスターは何処へ」という副題(?)の通り、AV草創期の人気女優達のビデオ名場面集といった体裁のこの作品だが、肝心の名場面が長くてせいぜい1人1分、下手をすると1人10秒(誇張なし)で片付けられてしまうのはどうか。途中にたびたび林由美香(AFTER)が出てくるし。ついでに言えばタイトルと違って、引用される場面は別に学園物に限らない。
レビュー
全盛期の林由美香の手堅いAVが入っているのだから問題は無いはずだが、なぜか見終わってからとても損した気持ちになる。はたして林由美香(AFTER)のインタビュー映像は本当に必要だったのか。むしろ誰にとって得になったというのか。
『学園FuckFuckFuck 100人』編も前述の通りお寒い内容であるし、DVDメニューから『八月の首輪』だけ選んで見ることを何のためらいも無くおすすめする。
この『八月の首輪』だけに限って言えば、セーラー服和姦、ソフトレイプ、言いなりのファックと計三回入っている上に、尺は短いながらオナニーシーンもあって当時のAVとしてはなかなか良心的な作り。林由美香(BEFORE)の清純派の顔立ちとド貧乳は見る者が見ればたまらないものがあるだろう。
(※本レビューはレンタル版を基にしている)
(2006/01/25)