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『VAMPANERA(ヴァンパネラ)-絶望の地下牢-』Distortion

Amazon 『VAMPANERA(ヴァンパネラ)-絶望の地下牢-』
(Distortion)2005年12月発売

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公式サイト(デモムービー・体験版有り)

あらすじ(ネタバレ)

 どことも知れぬ中途半端な異世界。先の領主グレニアム・エヴァンスの死去から数ヵ月が過ぎた。まだ幼さが残るというよりも明確に幼い設定上は24歳)その妻「テレジア」が新たな領主となり、巨大な権力を手にしていた。
 そんな時、亡き夫の腹心「ゼス」は死者の復活の法を記した禁書「破戒の法」を献上する。テレジアはまだ処女も捧げていなかった夫のため、禁断の秘術を行なう事を決意した。

 生贄の乙女には辺境に住まう清純なシスター「カチュア」が選ばれた。突然城の地下牢に拉致されたカチュアは、権力をふりかざすテレジアと副官ゼスに為すすべも無く儀式に参加させられてしまう。
 邪悪にして淫らな儀式ははじめてのオナニーに始まり、毎夜エスカレートしていく。短刀で血を抜かれ(ここは伏線なので注意)、異界から召喚されたという異形の触手怪物と交わい、遂には拷問吏達に犯されるカチュア。いつしか彼女は精神に異常をきたしてしまう。
 儀式の続行が不可能となったこの時、唯一カチュアの代わりになりえるもう1人の生贄候補が明らかになる。それは儀式の張本人であるテレジアその人だった──。

 亡き夫を蘇らせるため、気丈にもテレジアは自ら生贄となる。髪形をツインテールにしたのは決意の表れか。男として不能とは言え異性であるゼスの前でのはじめてのオナニーから例によって触手、そして拷問吏達との3Pと過酷な責めが次々と彼女を襲う。
 幼い24歳にとってあまりに辛い仕打ちに遂にテレジアは音を上げ儀式の中止を命ずるが、そんな彼女を副官のゼスは嘲笑する。
 全てはゼスの計略だったのだ。

 そもそも禁書「破戒の法」そのものがゼスのねつ造であった。ゼスはまずテレジアの有能な副官という役を演じ信頼を勝ち取り、次に甘言を弄し復活の儀式を執り行なわせた。淫らな儀式である事を強調しつつ、いかにもリアリティのある採血の儀(くり返すが伏線)や、本当は異界からではなく東洋から輸入した触手生物を見せ付け儀式の存在を信じ込ませる。その後でわざとカチュアの精神を壊してしまえば、疑う事なくテレジアは自ら淫らな儀式に参加せざるを得なくなる。こうなればもはやテレジアはゼスの手中にあるも同然──これがゼスのアカギ並の騙しのテクニックの全てだった。
 テレジアを地下に監禁すれば、空いた領主の座はゼスの物になる。そしてテレジアの出血大サービスぶりに思わず不能だった愚息も復活したゼスは、ひそかに焦がれていたテレジアの肉体すらも彼の物に──。あとついでにちょっと好みだったカチュアも

 だが哄笑するゼスの背後に、突如例の短刀が突き刺さった!
 狂人なりに自分が完全にダシにされていた事を知ったカチュアが、狂気と怒りのままにゼスを刺殺したのだ。返り血にまみれた姿のままいずこへと去っていくカチュア。
 地下牢から帰還し、領主に返り咲いたテレジアはカチュアの捜索を命ずるが、ついにその行方は漠として知れなかった──。

 ひどい話だ

レビュー(ネタバレ)

 前作『デランジェ』から大いに反省したのか、今作は徹底してエロシーン経由で話が進んでいく。選択肢の全てが(例の採血を除いて)クリックするとエロムービーが始まるという思い切りの良さは素直に評価したい。
 その一方でストーリーも決しておざなりではなく、真面目にオチと伏線を用意した破綻の無い1本のショートストーリーとして完成している。一体このメーカーに何があったんだ

 と大いにホメたものの、中盤でカチュアの気が狂ってしまう展開はエロ視点から言えばいただけない。話の構成上替えが効かない事ではあるのだが、せっかくカチュアとテレジアの2人を並べてオナニーや触手プレイをさせても一方がキチガイでは
 儀式のたびに毎回入る暗い廊下をコツコツ歩くムービー(クリックでキャンセルはできる)や無意味に繰り返し選択肢を選らばないと現われないムービー、OFFにできないゼスの声(OFFにすると女性陣の声もOFFになる)等、ここまできてまだちゃんとしたゲームっぽくしようとする吹っ切りの足りなさも惜しいところだ。
 特にゼスの存在は結構ウザく、会話シーンのたびにやけに綺麗な瞳の立ち絵でフェードインしては色男っぽい声で喋ってこちらのワクワク感を帳消しにしてくれる。ムービーにはめったに登場しないし声も出さないので、クリア後のイベント鑑賞時には決してジャマではないのだが。一度コンプリートするまでは苦行と思って耐えるべきかもしれない。

 1時間もあれば終わる小品ながら、クオリティは高い。サンプル画像にピンと来るものがあればその期待はまず裏切られないので、割引価格で買う価値は十分にあるだろう。

エロ見所(ネタバレ)

 高慢で不遜なようでいて、その実すっかり騙されて犯られてしまうというテレジアのキャラクター性は素晴らしい。公式サイト等のキャラクター紹介ではおでこ丸出しの未亡人と見せかけて、実際のエロシーンではツインテール実は処女だったという嬉しいサプライズが待っている。そこにかえってガッカリする層もいるだろうが。
 「儀式」の内容は恥ずかしそうなオナニーや媚薬を使っての盛大なオナニー、木製張り型責めや3P等、カチュアとテレジア両人に各種取り揃えてあって安心できる内容。もちろん触手もある。中サイズで繊毛の無い蛇タイプなのが不満な向きもあろうが、前作でカサカサだったテクスチャが今作ではちゃんとテラテラとぬめっているのは評価に足る。

 ストーリー後半、2人同時にさせる儀式は見せ場になり得たのだが、相方の頭がイッちゃっていたり、間に合わなかったのかなぜかテレジアしか出ないしかも使い回し)儀式があったりと、あまり期待すべき内容とは言えないだろう。
 非常に残念なのは、ほぼ全てのムービーが遠景で撮った地下牢の中にあえぎ声が小さくこだましたままフェードアウトで終わるため、絶頂する場面や発射シーンがほとんど登場しないことだ。
 また、ポーズに凝りすぎて顔が体に隠れてしまうカットや局部アップがやけに多いのも気にかかる。短いムービーの一つや二つならアクセントとしてむしろ良いのだが、基本的には顔も体も両方一度に見たいというのが多くのプレイヤーの気持ちではないだろうか。
(2006/01/17)

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